悪戯っぽく笑う日向に、"仕方ないな"と息を吐く。 それもいいかもしれない。 「名前、なんていうの」 「えっ、日向だけど……」 「ちがう。下の名前」 「……茜(アカネ)、」 窓の外に視線を移すと、夕焼け空が目に入った。 「これからよろしく、茜」 茜という名前は、この空のように綺麗な名前だと思った。