幼なじみじゃ、いられない。


「俺より牧田さんこそ、よく名前まで覚えてたね」

「あっ、うん、空井くんひなちゃんと仲良かったでしょ?だから結構覚えてて……」


美波ちゃんも照れたのか、少し焦ったように顔を赤らめながら返事していて。


「でも、すっごくカッコよくなっててびっくりした。話してみたら、やっぱり空井くんだなぁって思ったけど」

「え、それこそどういう意味?」

「うーん、天性のモテ男っていうのかな」

「あ、分かる!」

「でしょ?」


美波ちゃんの言葉にあたしが同調すると、「え?」と困ったように苦笑するりっくん。


「それ喜んでいいやつ?」

「もちろん!だよね?」


「うん」と、あたしが大きく頷くと、「ならいいや、ありがと」と、りっくんは納得したような、してないような様子で笑った。


それから3人で少しお喋りをした。

小1の時に引っ越した美波ちゃんが、こっちに戻ってきたこと。

同じ学校で、同じクラスになったこと。


そして……。