幼なじみじゃ、いられない。



『子どもの頃の思い出巡りしようよ!』


放課後、美波ちゃんに誘われたその言葉通り、通っていた幼稚園とか、通っていた道だとか、あたし達は子どもの頃に過ごした場所を巡っている。

……と言っても、学区内だからあたしからすれば、過ごし慣れた近所なんだけど。

それでも、久しぶりに再会した美波ちゃんと改めて歩いてみると、変わっていることに気付かなかったこともいっぱいあって。


懐かしくて、新鮮で、純粋に『楽しいな』って思っている。


「ひなちゃんはまだこの辺に住んでるんだっけ?」

「うん、昔と変わらないよ。美波ちゃんはどの辺に引っ越してきたの?」

「うちは今、駅の近くのマンションだよ」

「また引越しあるかもなの?」

「うーん、どうかな。でも、私ももう高ニだし、進路のこともあるから、もし今後パパの転勤があっても、もうついて行かないかなぁ……」

「そうなんだ……」


ユラユラとブランコを軽く揺らしながら、あたしは少しホッとする。

せっかく再会出来たのに、またすぐさよならとか寂しすぎるから。