「えっ、あっ、ありがとう……」
ふわりと香る、いちごの甘い匂い。
大地くんの思わぬ対応に戸惑いながら、
「じゃあ、あの、この後あたし用事があるので……」
おばあちゃんに頭を下げ、居た堪れなさに立ち上がる。すると、
「あら、忙しかったのに引き止めちゃってごめんね。でも、ありがとう。おかげで助かったわぁ」
大地くんのおばあちゃんは、優しく微笑んで、
「ちゃんとお見送りしてあげたかったんだけど……。大地、おばあちゃんの代わりに頼んでも大丈夫?」
「えっ」
おばあちゃんの発言に、あたしは思わず声を上げた。
……それが、きっと失敗だった。



