幼なじみじゃ、いられない。


「え、なに? どうしたの?」


あたしの反応に首を傾げる美波ちゃん。

チラッとりっくんを確認するように見ると、優しく微笑まれ、あたしは恥ずかしさに顔が赤くなる。


「あっ、えっ? もしかして二人って?」

「付き合ってるんだ」


告げるより早く察した美波ちゃんに、りっくんが言葉を続ける。

すると美波ちゃんは口を手で覆って、「きゃーっ!」と声を上げた。


「もう、全然知らなかった!ひなちゃん何も言ってくれないんだもん!」

「ごめん、タイミングなかなかなくて……」

「いつから付き合ってるの?もう長いの?」

「ううん、付き合い始めたのは最近。りっくん家でピアノ習ってて、定期的に会ってはいたんだけど」

「あ、ピアノ!」


「やってたね!」と、思い出したように両手を合わせる美波ちゃん。


「でも、そっか。ひなちゃん空井くんと付き合ってたんだ。だからかぁ……」


顔を少し赤く染め、「ふふっ」と笑う美波ちゃんに、今度はあたしが「何?」と首を傾げる。

すると、