幼なじみじゃ、いられない。



「そういえば、藤沢くんも同じクラスだったんだよね」

「えっ、あっ、うん……」


クラスの話になって、嫌な予感はしてた。

そして、やっぱり出てきた名前にドキッとする。

だって、大地くんと同じクラスになったことを、自分の口からりっくんに言えずにいたから。


りっくんはどう思うんだろう……。

ほんの少し、ビクビクしながらりっくんの方を見ると、


「そうだったんだ。みんな一緒とか、羨ましいな」


特に何も気にしてなさそうに、いつも通りニコッと笑って返事していた。


あれ……ちょっと気にしすぎだったかな。

そんなことを考えていると、


「確か藤沢くんもこの辺に住んでたよね。空井くん、今も一緒に遊んだりとかするの?」

「いや、中学を卒業してからは全然かな」


美波ちゃんとりっくんの会話は進んでいて、


「そっか。藤沢くん、ちょっと雰囲気変わったもんね。じゃあ、ふたりは今もこうしてたまに話したりするの?」


あたし達の話題になって、「えっ」と思わず声を上げた。