「だいちくんは、だれとけっこんするの?」


「りのちゃんとやくそくしてたけど、べつのことやくそくしたらしいから、ひなちゃんとけっこんしてあげるよ」


「ほんと!?じゃあひな、だいちくんとけっこんする!やくそくね!」



──あれは5歳、幼稚園の年中さんのとき。


『結婚』の意味も知らず、しかも他の子の代わりとして将来の約束をした。


君はそんなのとっくに忘れていると思うけど、

あたしはずっとその約束に囚われて、


今も君に片想いをしているの──。