「無理よ無理無理!私はただの会社員!人の面倒なんてみれないよ!」
『だって今度のお弟子さんはイケメンなのよ!隆文さんもイケオジじゃない?だからもし若い家政婦さんが来たらメロメロになっちゃうじゃなーい!そんなの心配で演奏会なんてできなくなっちゃう!花音は隆文さん見張って、おいしいごはんと洗濯してくれたら掃除はきっと各自出来るから!住み込みで働いてくれたらお小遣いあげるからぁ!』
隆文さんは確かにイケオジだ。近隣の大学で非常勤講師として働きながら、ピアニストの活動も続けている。確かに若い大学生に日々囲まれていて心配なんだろうが、隆文さんは昔から真知子ちゃん一筋なのにな。
隆文さんを見張るミッションが主な気もするが、注目すべきはイケメンピアニスト。KEIと友達だったりしないかな。それに隆文さんならKEIのことも知っているかも…。
「んー。まぁ仕方がない。働きながらだから最低限の家事しかしないから!」
『いいわよ~!隆文さんに余計な虫がつかないように見張ってほしいだけだし』
ついに真知子ちゃん本音が出ましたよ!確かに隆文さんなら家事はわりと出来るはずだし。なるほどイケメンたちが住む家に悪い虫が来ないようにしてほしいということですね。
『お弟子さんは物静かな可愛い子!音が素敵なのよ~!花音も気に入ると思うわ』
「へぇ~楽しみ~」
『ダーリンにも伝えておくから!よろしくね』
そして、生徒さんが入居するという次の週末から、懐かしい実家へと向かうことにした。



