ああ駄目だ、何があっても余計な事は考えるな。
38度付近をさ迷っている熱が下がってくれれば、この頭痛ともおさらばするはずだ。
「……早く下がってよもう…」
思わず熱に対する悪態をつきながら、私は頭を押さえる手の力を緩めずにその場に縮こまった。
それから、どのくらい時間が経っただろう。
「イイヨちゃーん、調子はどうー?」
朝でも夜でも元気はつらつな女性の声で、私は目を開けた。
「あ、…大叔母さん、」
ハイヒールの音を響かせながら私の部屋に入ってきた大叔母さんは、躊躇せず私の額に自分の手を乗せた。
彼女のひんやりとした手が気持ち良い。
「まだ熱があるみたい。…0823番、食事を出してあげて」
「かしこまりました、仰せのままに」
大叔母さんの後ろからお盆を持って現れた0823番は、どことなく緊張しているようだった。
「…大叔母さん、熱が下がらなくてごめんなさい」
謝罪の言葉を口にすると、
「なーに言ってるのよイイヨちゃん!この頃授業と実習が積み重なってて疲れていたもの、仕方がないわ!熱が下がったらまた今まで通りに出来るんだから、まずはゆっくり身体を休めなさい。ね?」
黒に銀のスパンコールを散りばめたワンピースに黒くてふわふわのコートを羽織った彼女は、目の前でぶんぶんと手を振った。
38度付近をさ迷っている熱が下がってくれれば、この頭痛ともおさらばするはずだ。
「……早く下がってよもう…」
思わず熱に対する悪態をつきながら、私は頭を押さえる手の力を緩めずにその場に縮こまった。
それから、どのくらい時間が経っただろう。
「イイヨちゃーん、調子はどうー?」
朝でも夜でも元気はつらつな女性の声で、私は目を開けた。
「あ、…大叔母さん、」
ハイヒールの音を響かせながら私の部屋に入ってきた大叔母さんは、躊躇せず私の額に自分の手を乗せた。
彼女のひんやりとした手が気持ち良い。
「まだ熱があるみたい。…0823番、食事を出してあげて」
「かしこまりました、仰せのままに」
大叔母さんの後ろからお盆を持って現れた0823番は、どことなく緊張しているようだった。
「…大叔母さん、熱が下がらなくてごめんなさい」
謝罪の言葉を口にすると、
「なーに言ってるのよイイヨちゃん!この頃授業と実習が積み重なってて疲れていたもの、仕方がないわ!熱が下がったらまた今まで通りに出来るんだから、まずはゆっくり身体を休めなさい。ね?」
黒に銀のスパンコールを散りばめたワンピースに黒くてふわふわのコートを羽織った彼女は、目の前でぶんぶんと手を振った。



