(ん?)
私宛ての動画とは一体どういうことだろう。
取り敢えず、早く見た方がいい事には変わりはない。
「ケーキ作る時になったら呼んでー!私ちょっと上に居るね!」
お店を時短営業に変える為に忙しく動き回っている湊さんにそう告げた私は、スマホを片手に2階へと上がって行った。
「パスワードは、823114……」
自分の部屋のドアを閉めた私は、机に向かって座りながらスマホを操作し始めた。
ロック画面の背景は、ハナが教えてくれた“紫苑”という花。
「ん?このパスワードって私とハナの生年月日だ」
私がハナの事を0823番と呼び、彼女が私を0114番様と呼んでいたあの日々が懐かしく思い出される。
誰がこんな番号に変えたのだろう、と不思議に思いつつ、私は慣れた手つきでアルバムを開いた。
そこには、いつだったかに撮った私とハナの写真が何枚も収められていた。
2人笑顔でピースサインをした写真、ハナが硬いパンをかじる瞬間の写真、ボロボロの壁を写した1枚、そして私の左手首に繋がれた鎖を撮った写真。
どれも忘れてはいけない、確かに私の人生の1ページに刻まれた辛い思い出達。
けれど、そんな中でも唯一私を照らしてくれたのはハナという存在だった。
私宛ての動画とは一体どういうことだろう。
取り敢えず、早く見た方がいい事には変わりはない。
「ケーキ作る時になったら呼んでー!私ちょっと上に居るね!」
お店を時短営業に変える為に忙しく動き回っている湊さんにそう告げた私は、スマホを片手に2階へと上がって行った。
「パスワードは、823114……」
自分の部屋のドアを閉めた私は、机に向かって座りながらスマホを操作し始めた。
ロック画面の背景は、ハナが教えてくれた“紫苑”という花。
「ん?このパスワードって私とハナの生年月日だ」
私がハナの事を0823番と呼び、彼女が私を0114番様と呼んでいたあの日々が懐かしく思い出される。
誰がこんな番号に変えたのだろう、と不思議に思いつつ、私は慣れた手つきでアルバムを開いた。
そこには、いつだったかに撮った私とハナの写真が何枚も収められていた。
2人笑顔でピースサインをした写真、ハナが硬いパンをかじる瞬間の写真、ボロボロの壁を写した1枚、そして私の左手首に繋がれた鎖を撮った写真。
どれも忘れてはいけない、確かに私の人生の1ページに刻まれた辛い思い出達。
けれど、そんな中でも唯一私を照らしてくれたのはハナという存在だった。



