ママの手料理 Ⅱ

そのどれもが嬉しくて懐かしくて、ちょっぴり新鮮で。


とても嬉しかったのだけれど、先程記憶を思い出す際に引き起こされた物凄い頭痛の余韻がまだ残っていたから、私は大事をとって一旦眠ってから全てを話すことにした。




おやすみ、だの、次起きたら全部忘れたとか言わないでね、だの、色々な台詞を私にぶつけて部屋を出て行くmirageを見送った後、私はベッドに潜り込んですぐに目を瞑った。


自分の心臓の音と共に感じる頭の痛みをそのままに、そっとmirageに思いを馳せる。


私の血の繋がった家族と義理の家族は亡くなり、洗脳してでも私を家族の一員だと思い込ませた怪盗パピヨンは、0823番とmirageの活躍により崩壊したわけで。


(フラグとか要らないから、本当にmirageだけは居なくならないで…)


ほぼ男しかいない、私の命を救ってくれた大切な家族。


(もう何も忘れないから……だからお願い、)





ずっと、私と家族でいて下さい。






そうして、私の意識は途絶えた。