サングラス男はその言動から私と年齢が近い気がして、私は早々に敬語を使うのを止めていた。
「そうですか…紫苑さんをそんな目に合わせたのに、悲しんで貰える怪盗パピヨンって…つくづく幸せ者ですね。紫苑さんも、とても純粋です」
「え…?」
棒読みの上無表情で呟く彼が何を考えているか分からなくて、私は聞き返した。
「…だって、紫苑さんはあの人達に誘拐された事でそれ以前の記憶を全部無くしてるんですよ?部屋で鎖に繋がれて、満足に外にも出られなかったんじゃないですか?」
目の前の壁から私へと視線をずらし、彼は淀みなく言葉を紡ぐ。
「鎖…確かにそうだけど、あれだって大叔母さんが頭が痛くなりやすい私の為を思って…」
「“私の為を思って”?」
サングラスに覆われた彼の目が、強烈な光を帯びた気がした。
「そんなの嘘に決まってますよ。ああいう人達はそう言っておく事で自分の地位を完全なものにしたがるんです。人を監禁する事で自己満足してるだけなんです」
まるで実際に経験してきたかのようなその口ぶりに、私は眉をひそめた。
「あ、紫苑さんは忘れてるんでしたね…」
そう前置きして彼が簡潔に話してくれたのは、彼のこれまた壮絶な過去の話だった。
「そうですか…紫苑さんをそんな目に合わせたのに、悲しんで貰える怪盗パピヨンって…つくづく幸せ者ですね。紫苑さんも、とても純粋です」
「え…?」
棒読みの上無表情で呟く彼が何を考えているか分からなくて、私は聞き返した。
「…だって、紫苑さんはあの人達に誘拐された事でそれ以前の記憶を全部無くしてるんですよ?部屋で鎖に繋がれて、満足に外にも出られなかったんじゃないですか?」
目の前の壁から私へと視線をずらし、彼は淀みなく言葉を紡ぐ。
「鎖…確かにそうだけど、あれだって大叔母さんが頭が痛くなりやすい私の為を思って…」
「“私の為を思って”?」
サングラスに覆われた彼の目が、強烈な光を帯びた気がした。
「そんなの嘘に決まってますよ。ああいう人達はそう言っておく事で自分の地位を完全なものにしたがるんです。人を監禁する事で自己満足してるだけなんです」
まるで実際に経験してきたかのようなその口ぶりに、私は眉をひそめた。
「あ、紫苑さんは忘れてるんでしたね…」
そう前置きして彼が簡潔に話してくれたのは、彼のこれまた壮絶な過去の話だった。



