「その髪飾りは、あの方…大叔母様が、お仕置きが必要な下僕の目印となるように、特定の下僕に付けさせているものです」
「え、………」
言葉が出なかった。
周りのむさ苦しい男性達も、動きを止めて愕然としていて。
「……お仕置きって何?」
長い長い沈黙を破ったのは、湊さんだった。
「お仕置きは、……下僕や下僕養成所にいる人を人身売買するか、殺してしまうかのどちらかかと…」
ぎゅっと目を瞑りながらその言葉を絞り出した下僕を、湊さんが強く抱き締めた。
「…つまり、0823番は作り話を紫苑に話す事で洗脳させ、何らかの原因でお仕置きの対象となった、という事か…」
その体勢のまま言葉を紡ぐ彼の目は、何処を見ているのかまるで分からなかった。
私の方を見ているのに何処か遠くを見ている気がするし、それでいて目の奥には何か強い感情が煮えたぎっている気がして。
その瞳から逃れようと、私はそっと目線をずらした。
「…ですが、私が1212番から聞いた話では、大叔母様は誘拐した子供を洗脳して下僕にさせるという事でした。もし紫苑様が洗脳と同時に記憶喪失になっているなら、怪盗パピヨンに何かをされた可能性もあると思われます」
「え、………」
言葉が出なかった。
周りのむさ苦しい男性達も、動きを止めて愕然としていて。
「……お仕置きって何?」
長い長い沈黙を破ったのは、湊さんだった。
「お仕置きは、……下僕や下僕養成所にいる人を人身売買するか、殺してしまうかのどちらかかと…」
ぎゅっと目を瞑りながらその言葉を絞り出した下僕を、湊さんが強く抱き締めた。
「…つまり、0823番は作り話を紫苑に話す事で洗脳させ、何らかの原因でお仕置きの対象となった、という事か…」
その体勢のまま言葉を紡ぐ彼の目は、何処を見ているのかまるで分からなかった。
私の方を見ているのに何処か遠くを見ている気がするし、それでいて目の奥には何か強い感情が煮えたぎっている気がして。
その瞳から逃れようと、私はそっと目線をずらした。
「…ですが、私が1212番から聞いた話では、大叔母様は誘拐した子供を洗脳して下僕にさせるという事でした。もし紫苑様が洗脳と同時に記憶喪失になっているなら、怪盗パピヨンに何かをされた可能性もあると思われます」



