イライラが募ったのか私のスマホを叩き壊そうとした殺気男の手を掴んだのは、昨日ずっと車を運転してくれた別の男性だった。
ウェーブのかかった前髪のせいでほとんど目元が見えないその人は、スマホを奪い取ると自身のパソコンに何かを入力し始めた。
いつの間にか私のスマホはその人のパソコンとコードで繋がれていて、パソコンからはデータを読み込む音が聞こえてくる。
「ほら、やっぱりな。スマホのGPSはこいつが誘拐された日に切られてるし、その時にパスワードも変えられてる。紫苑が今まで使えてたのは、カメラ機能と緊急電話機能だけだ」
しばらくして、パソコン男が顔を上げてそう報告したけれど、私には何の事かさっぱり分からない。
「え、でも緊急電話機能って110とか119しか繋がらないんじゃなくて?」
大也さんの不思議そうな声を聞き、そこでようやく思い出した。
(0823番が教えてくれた電話番号、104 2525じゃなくて110だ…)
「そうだけど、俺がこいつのスマホを買った時にどの電話番号にも掛けられるように改造しといたんだよ。因みにお前らのも改造してある」
ウェーブのかかった前髪のせいでほとんど目元が見えないその人は、スマホを奪い取ると自身のパソコンに何かを入力し始めた。
いつの間にか私のスマホはその人のパソコンとコードで繋がれていて、パソコンからはデータを読み込む音が聞こえてくる。
「ほら、やっぱりな。スマホのGPSはこいつが誘拐された日に切られてるし、その時にパスワードも変えられてる。紫苑が今まで使えてたのは、カメラ機能と緊急電話機能だけだ」
しばらくして、パソコン男が顔を上げてそう報告したけれど、私には何の事かさっぱり分からない。
「え、でも緊急電話機能って110とか119しか繋がらないんじゃなくて?」
大也さんの不思議そうな声を聞き、そこでようやく思い出した。
(0823番が教えてくれた電話番号、104 2525じゃなくて110だ…)
「そうだけど、俺がこいつのスマホを買った時にどの電話番号にも掛けられるように改造しといたんだよ。因みにお前らのも改造してある」



