言いながら隣に座る彼女を見ると、
「飴…?」
今までの会話の中で初めて、彼女が意思のある疑問形で聞き返してきた。
「うん、この飴舐めるとすぐ寝れるから。俺も舐めるし、仁ももう寝たよ」
既に寝息を立て始めた仁の手から瓶を取った俺は、ほら、と彼女に見せた。
中には色とりどりの飴が詰まっていて、甘党な俺は見ているだけで幸せな気分になってくる。
「何味がいい?りんご、マスカット、オレンジ…色々あるよ」
俺の言葉を聞いた彼女は、ひっと喉を鳴らして目を見開いた。
「嫌だ…いらない、」
「疲れてないの?寝た方が良くない?」
そう言いながら彼女に瓶を近付けると、
「やだっ!」
まるでゴキブリでも見るような目で飴を見た彼女は、それを勢い良く押し返してきた。
(えっ…?)
何故こんなに拒否されたか理解出来ず、俺はただ紫苑ちゃんを呆然と見つめた。
その間にも、彼女は激しく肩を上下させながら意味不明な事を呟いていて。
「3つ目を食べたらおかしくなる…立派な下僕になれない、飴は食べちゃ駄目、食べちゃ駄目、食べちゃ駄目」
大粒の涙を流しながらそれをうわ言の様に言い続ける彼女の両手は震えていて、段々呼吸が浅く速くなり始めた。
(……え?)
驚きながらミラーを見ると、無表情な銀子ちゃんと目が合った。
「飴…?」
今までの会話の中で初めて、彼女が意思のある疑問形で聞き返してきた。
「うん、この飴舐めるとすぐ寝れるから。俺も舐めるし、仁ももう寝たよ」
既に寝息を立て始めた仁の手から瓶を取った俺は、ほら、と彼女に見せた。
中には色とりどりの飴が詰まっていて、甘党な俺は見ているだけで幸せな気分になってくる。
「何味がいい?りんご、マスカット、オレンジ…色々あるよ」
俺の言葉を聞いた彼女は、ひっと喉を鳴らして目を見開いた。
「嫌だ…いらない、」
「疲れてないの?寝た方が良くない?」
そう言いながら彼女に瓶を近付けると、
「やだっ!」
まるでゴキブリでも見るような目で飴を見た彼女は、それを勢い良く押し返してきた。
(えっ…?)
何故こんなに拒否されたか理解出来ず、俺はただ紫苑ちゃんを呆然と見つめた。
その間にも、彼女は激しく肩を上下させながら意味不明な事を呟いていて。
「3つ目を食べたらおかしくなる…立派な下僕になれない、飴は食べちゃ駄目、食べちゃ駄目、食べちゃ駄目」
大粒の涙を流しながらそれをうわ言の様に言い続ける彼女の両手は震えていて、段々呼吸が浅く速くなり始めた。
(……え?)
驚きながらミラーを見ると、無表情な銀子ちゃんと目が合った。



