仁は先程の光景やらなんやらを思い返しているのか未だに顔色が優れず、窓を開けて新鮮な空気を肺に取り込んでいる。
隣に座る紫苑ちゃんを見ると、不安そうな瞳をこちらに向けていた。
「…どうしたの、大丈夫だよ。これから家に帰るだけだから。ね?」
まだショックが抜けきれていないのだろうか。
疲労困憊の中、俺が優しく笑いかけると、
「……はい」
彼女も、微かに頷き返してくれた。
「…おい、飴舐めるか」
あれから20分程が経ち、車は高速道路に突入した。
夜だから交通量も少なく、速度を違反ギリギリまであげて走行中の銀子ちゃんの声で俺は我に返った。
疲れているのに目が冴えたままなのは、仁も紫苑ちゃんも同じらしい。
ずっと窓を開けて夜風に当たっている仁は、信じられない程素直に運転手が持つ飴の入った瓶を手にした。
それは市販の飴に睡眠薬を混ぜたもので、こちらも銀子ちゃん手作りグッズの1つとなっている。
1粒舐めれば瞬く間に眠気が襲ってきて熟睡出来る為、俺も寝付きが悪い日は何度か使わせてもらったことがある。
(紫苑ちゃん、疲れてるだろうし寝かせてあげた方が良いよね)
思い付いたら即行動、それが俺のモットーだ。
「紫苑ちゃん、疲れてるなら少し寝た方がいいよ。飴舐める?」
隣に座る紫苑ちゃんを見ると、不安そうな瞳をこちらに向けていた。
「…どうしたの、大丈夫だよ。これから家に帰るだけだから。ね?」
まだショックが抜けきれていないのだろうか。
疲労困憊の中、俺が優しく笑いかけると、
「……はい」
彼女も、微かに頷き返してくれた。
「…おい、飴舐めるか」
あれから20分程が経ち、車は高速道路に突入した。
夜だから交通量も少なく、速度を違反ギリギリまであげて走行中の銀子ちゃんの声で俺は我に返った。
疲れているのに目が冴えたままなのは、仁も紫苑ちゃんも同じらしい。
ずっと窓を開けて夜風に当たっている仁は、信じられない程素直に運転手が持つ飴の入った瓶を手にした。
それは市販の飴に睡眠薬を混ぜたもので、こちらも銀子ちゃん手作りグッズの1つとなっている。
1粒舐めれば瞬く間に眠気が襲ってきて熟睡出来る為、俺も寝付きが悪い日は何度か使わせてもらったことがある。
(紫苑ちゃん、疲れてるだろうし寝かせてあげた方が良いよね)
思い付いたら即行動、それが俺のモットーだ。
「紫苑ちゃん、疲れてるなら少し寝た方がいいよ。飴舐める?」



