またイヤホンを耳につけ直した仁は、涼しい顔をしながらドアの前のプレートを順々に見ていた。
閉め切られたドアの向こうからは、少女達の声が微かに聞こえてくる。
階下からは未だに銃声や叫び声やらが響きながら聞こえていて、それがどれ程染井佳乃と下僕達の闘いが大きなものかを物語っていて。
(早く紫苑ちゃんを盗まないと…)
そう考えながら、ドアのプレートに書かれている数字を見ていた矢先。
「No.12…あった、ここだ!」
廊下の真ん中付近に差し掛かったところで、俺はようやく目的の部屋を発見した。
「取り敢えず早く開けよう、紫苑ちゃんが中で待ってる」
『よしそこだ、開けろ』
ドアノブを回してみるけれど、どうやら鍵が掛かっているようで押しても引いてもびくともしない。
(今度こそ俺が蹴破ろうかなっ!)
さっきの失態ー此処に侵入してきた時、自分より先に仁にドアを蹴破られてしまった事だー、ここで挽回する!、と思いながら助走をつけた俺は、勢い良く硬いドアを蹴破った。
「…えっ、?」
思わず口から漏れた声は、俺のものか仁のものか。
勢い良く部屋の中に倒れたドアの向こう側には、左手がカーテンレールから伸びた鎖に繋がれたまま座っている少女の姿があった。
閉め切られたドアの向こうからは、少女達の声が微かに聞こえてくる。
階下からは未だに銃声や叫び声やらが響きながら聞こえていて、それがどれ程染井佳乃と下僕達の闘いが大きなものかを物語っていて。
(早く紫苑ちゃんを盗まないと…)
そう考えながら、ドアのプレートに書かれている数字を見ていた矢先。
「No.12…あった、ここだ!」
廊下の真ん中付近に差し掛かったところで、俺はようやく目的の部屋を発見した。
「取り敢えず早く開けよう、紫苑ちゃんが中で待ってる」
『よしそこだ、開けろ』
ドアノブを回してみるけれど、どうやら鍵が掛かっているようで押しても引いてもびくともしない。
(今度こそ俺が蹴破ろうかなっ!)
さっきの失態ー此処に侵入してきた時、自分より先に仁にドアを蹴破られてしまった事だー、ここで挽回する!、と思いながら助走をつけた俺は、勢い良く硬いドアを蹴破った。
「…えっ、?」
思わず口から漏れた声は、俺のものか仁のものか。
勢い良く部屋の中に倒れたドアの向こう側には、左手がカーテンレールから伸びた鎖に繋がれたまま座っている少女の姿があった。



