『ん?あの子誰だろう、怪盗パピヨン側の子だよね?』
『…だな、でもさっきおたまぶん投げてたぞ』
少女の言葉に反応した染井佳乃は、ゆっくりと彼女の方を振り向いた。
「あ、な……裏切……わた、…殺…」
ヒューヒューという音と共に、掠れた小さな声がリーダーの口から漏れる。
「大也様、早く上へ!」
ぽかんとしている俺の目の前で、彼女は頭につけていた髪飾りを外して染井佳乃に向かって投げた。
その髪飾りは運悪く染井佳乃の身体に当たらなかったものの、
(ピンク色の、蝶の髪飾り…)
俺の頭の中では、それが美しい事だけは認識できた。
『大也、早く仁連れて上に行け!3階だ!』
イヤホンから流れてきた琥珀の大声に我に返った俺は、うん、と頷いて踵を返そうとした。
その瞬間。
バァン………
大きな発砲音が聞こえ、
「や、………」
誰かが倒れる音がした。
驚いて顔を上げると、先程の少女が床にしゃがみ込み、その服から血が出ているではないか。
染井佳乃は俺達よりもその少女をターゲットに選んだらしく、その両手にはいつの間にか銃が握られていた。
「え…待って待って大丈夫!?君、撃たれたよね!?」
その時の俺は、その少女が怪盗パピヨン側だという事をすっかり忘れ、思わず仁の手を掴んだまま彼女に駆け寄って行った。
『…だな、でもさっきおたまぶん投げてたぞ』
少女の言葉に反応した染井佳乃は、ゆっくりと彼女の方を振り向いた。
「あ、な……裏切……わた、…殺…」
ヒューヒューという音と共に、掠れた小さな声がリーダーの口から漏れる。
「大也様、早く上へ!」
ぽかんとしている俺の目の前で、彼女は頭につけていた髪飾りを外して染井佳乃に向かって投げた。
その髪飾りは運悪く染井佳乃の身体に当たらなかったものの、
(ピンク色の、蝶の髪飾り…)
俺の頭の中では、それが美しい事だけは認識できた。
『大也、早く仁連れて上に行け!3階だ!』
イヤホンから流れてきた琥珀の大声に我に返った俺は、うん、と頷いて踵を返そうとした。
その瞬間。
バァン………
大きな発砲音が聞こえ、
「や、………」
誰かが倒れる音がした。
驚いて顔を上げると、先程の少女が床にしゃがみ込み、その服から血が出ているではないか。
染井佳乃は俺達よりもその少女をターゲットに選んだらしく、その両手にはいつの間にか銃が握られていた。
「え…待って待って大丈夫!?君、撃たれたよね!?」
その時の俺は、その少女が怪盗パピヨン側だという事をすっかり忘れ、思わず仁の手を掴んだまま彼女に駆け寄って行った。



