『え!?』
驚きの余り漏れた声が俺のものだったのか他のメンバーのものだったのか、その時は区別すらつかなかった。
誰かが投げたおたまはピンポイントで染井佳乃の頭を直撃し、その衝撃で彼女はふらりとよろめいた。
一瞬の隙が出来た。
「仁!」
俺は叫び、未だ使い物にならない家族の手を掴んで自分の背中の後ろに移動させた。
けれど、その“誰か”が作ってくれた隙は、俺達が上階へ行く時間を稼げる程長くはなくて。
新しい銃を手にした彼女が、首から血を滴らせながらまたこちらを向く。
顔は染井佳乃を睨んだまま、手だけを仁の懐に入れて俺も新たな銃を手にしたその時。
「そこにいらっしゃるのは大也様でしょうか!?」
遠くから足音が聞こえてきて、染井佳乃の数メートル後ろに少女が現れた。
まだ高校生くらいの顔立ちのその子は白と薄い茶色のストライプ柄のエプロンを身につけていて、大きく肩で息をしている。
自分の名前が呼ばれたから短く頷いてみると、
「っ、…0114番様は、3階のNo.12の部屋にいらっしゃいます!ご主人様の事はお気になさらず、先へお進み下さい!」
一瞬息を飲んだ彼女は、すぐに切り替えて大声で叫んだ。
驚きの余り漏れた声が俺のものだったのか他のメンバーのものだったのか、その時は区別すらつかなかった。
誰かが投げたおたまはピンポイントで染井佳乃の頭を直撃し、その衝撃で彼女はふらりとよろめいた。
一瞬の隙が出来た。
「仁!」
俺は叫び、未だ使い物にならない家族の手を掴んで自分の背中の後ろに移動させた。
けれど、その“誰か”が作ってくれた隙は、俺達が上階へ行く時間を稼げる程長くはなくて。
新しい銃を手にした彼女が、首から血を滴らせながらまたこちらを向く。
顔は染井佳乃を睨んだまま、手だけを仁の懐に入れて俺も新たな銃を手にしたその時。
「そこにいらっしゃるのは大也様でしょうか!?」
遠くから足音が聞こえてきて、染井佳乃の数メートル後ろに少女が現れた。
まだ高校生くらいの顔立ちのその子は白と薄い茶色のストライプ柄のエプロンを身につけていて、大きく肩で息をしている。
自分の名前が呼ばれたから短く頷いてみると、
「っ、…0114番様は、3階のNo.12の部屋にいらっしゃいます!ご主人様の事はお気になさらず、先へお進み下さい!」
一瞬息を飲んだ彼女は、すぐに切り替えて大声で叫んだ。



