話は戻り、下僕養成所での訓練と称された授業では、私達は人を殺す為の知識と防衛術を身につけ、爆弾の解除方法を学び、武器の使い方を実践練習の中で覚えていく。


その他にも、英語や中国語、理科に数学…、ご主人様の為になるなら何でも勉強して、知識を脳に叩き込まれる。


それはもちろん、ほぼ全てのご主人様が闇の世界で生きている人間だからである。


実際、私の初めてのご主人様も麻薬密売人として働いていた。


私が初めて外の世界に出た11歳の頃、最初のご主人様は私を人として扱ってくれなかった。


自分の食事にペットフードが与えられるのは日常茶飯事、同じ空気を吸いたくないと言われたら廊下やベランダで眠り、性欲が溜まっていると言われたら即座に相手をした。


下僕にとって自分の寝室が与えられる事は奇跡に近く、私達は暴力を振るわれたり酷い目に遭わされても耐えられる様な強固な精神力と忍耐力を求められる。



ご主人様の麻薬を運ぶ手伝いをしたり、警察が来ないか見張りをしたり。


ご主人様があの怪盗OASISと繋がっているのも、小耳に挟んでいた。



それなのに、私は買われて半年で捨てられたーいや、下僕養成所に返品されたのだ。