罰ゲームは恋の始まり

「わあ、本がいっぱい」
「まあ、本屋だからな」
私の感想に沢木はクスッと笑い、スタスタと店の奥に入って行く。
「沢木ってよく本読んでるよね。どんな本が好きなの?」
「う~ん。ミステリー系かな。竹口は?本とか読むの?」
「いや、特に」
もし本を読んでいたら会話をもっと広げられたのに。過去の自分を恨みたくなる。
「じゃあ、この機会に読んでみたら?」
「う~ん。でも、どんな話が面白いのか全く分からない。沢木はどうやって選んでるの?」
「俺?表紙とか題名かな」
「へ~」
試しに周りを見てみたがここには気になる本はなかった。
「探してこいよ。俺はここにいるから」
「うん」
沢木の提案をありがたく受け取り、本屋の中をゆっくり歩く。
しばらく探し回っていると、気になる本を見つけた。しかし、少し高い場所にあり、背伸びをしていると後ろによろけ、誰かにぶつかってしまった。
「ごめんなさい!」
「大丈夫、俺。読みたい本ってこれ?」
いつの間にか沢木が後ろに立っており、私が取ろうとしていた本を渡してくれた。
「お前らしい本だな」
「ありがとう」
本を受け取り、本来の目的を思い出す。
「あっ!そういえば、図書室におく本はどうする?」
「もう買ってきた」
そう言って右手に持った紙袋を指さす。
「早いね」
「まあな。お前もその本、買ってきたら?」
「うん!」
私は小走りでレジへ向かった。