同じ歳だというのに、片方は音楽という煌めく世界で活躍し、片方はパソコンに向かって毎日のように仕事をするという正反対の世界で生きている。だが、それについて凛はバロンに嫉妬したことはない。
(バロンが歌を仕事にできるのは、平凡に生きている人が社会を回していっているからなんだよね)
以前、バロンが生放送で「縁の下の力持ちってかっこいいと思う。皆さんは間違いなくそっち」と話していたことを思い出し、頬が緩む。ライブに行って気分転換ができたおかげで、月曜日からまた始まる仕事が頑張れそうだ。
最終間際の地下鉄に乗り、凛がボウッと窓の外を見ていると、視界の端にバロンのライブグッズを持った大学生らしきおしゃれな二人組が映る。二人はスマホ画面を見て、「ライブよかったね〜」と言いながら話していた。
「でも、ライブで会えても遠い存在だよね」
「わかる!友達みたいに頻繁に会える人じゃないしね」
大学生の言葉に、凛はピシッと体が固まってしまった。実は凛は、ネットに呟いて写真を載せれば、大炎上するであろう秘密があるのである。
(バロンが歌を仕事にできるのは、平凡に生きている人が社会を回していっているからなんだよね)
以前、バロンが生放送で「縁の下の力持ちってかっこいいと思う。皆さんは間違いなくそっち」と話していたことを思い出し、頬が緩む。ライブに行って気分転換ができたおかげで、月曜日からまた始まる仕事が頑張れそうだ。
最終間際の地下鉄に乗り、凛がボウッと窓の外を見ていると、視界の端にバロンのライブグッズを持った大学生らしきおしゃれな二人組が映る。二人はスマホ画面を見て、「ライブよかったね〜」と言いながら話していた。
「でも、ライブで会えても遠い存在だよね」
「わかる!友達みたいに頻繁に会える人じゃないしね」
大学生の言葉に、凛はピシッと体が固まってしまった。実は凛は、ネットに呟いて写真を載せれば、大炎上するであろう秘密があるのである。


