「あかね~、オレンジ切ったよ。食べない?」
「だーっ!! ママ、いま忙しいの、邪魔しないでっ!!」
ドアをノックした母親の方を見向きもせずに、あかねはタブレットの画面を見つめ続けていた。
画面には煌びやかなライトとその中で舞い踊る五人のアイドル達、あかねの最推しである『FaceToFace』のデビュー5周年の記念ライブの配信公演の真っ最中だ。
一秒たりとも目を逸らすわけにはいかなかった。
(あ~、本当に奇跡の五人だわ……。
顔、性格、身長、歌声、ダンス。
全てにおいてバランスが良くて、パーフェクト。
尊みの極地。これ以上のアイドルは居ないでしょ!!)
そんなことを思いながら、鼻息荒く画面を見つめる。
理想はライブ会場へ行くことだが、バイトが禁止の高校生活ではそんな贅沢は出来ない。
『FTF』が所属するアイドル事務所は若いファンが多いことを知っていて、だからこうやって配信ライブを続けてくれている。
あかねはまだ一度も生のライブを味わったことがないが、画面越しですらこの尊みなのだから、会場で彼らを見てしまったらもう卒倒ものなのではないかと思っている。
「だーっ!! ママ、いま忙しいの、邪魔しないでっ!!」
ドアをノックした母親の方を見向きもせずに、あかねはタブレットの画面を見つめ続けていた。
画面には煌びやかなライトとその中で舞い踊る五人のアイドル達、あかねの最推しである『FaceToFace』のデビュー5周年の記念ライブの配信公演の真っ最中だ。
一秒たりとも目を逸らすわけにはいかなかった。
(あ~、本当に奇跡の五人だわ……。
顔、性格、身長、歌声、ダンス。
全てにおいてバランスが良くて、パーフェクト。
尊みの極地。これ以上のアイドルは居ないでしょ!!)
そんなことを思いながら、鼻息荒く画面を見つめる。
理想はライブ会場へ行くことだが、バイトが禁止の高校生活ではそんな贅沢は出来ない。
『FTF』が所属するアイドル事務所は若いファンが多いことを知っていて、だからこうやって配信ライブを続けてくれている。
あかねはまだ一度も生のライブを味わったことがないが、画面越しですらこの尊みなのだから、会場で彼らを見てしまったらもう卒倒ものなのではないかと思っている。