「今の関係壊したくないって予防線ばっか張っても、スタートもしない。まずは伝えないとって、おまえがそう言ったんだろ」
「……そうだね」
俺の告白に、先輩がどう思うとか、そんなのは関係ない。
「俺、頑張るよ」
いつのまにか怯んでいた感情を払うように瞬きをする。
「おー、アドバイス大雅だ、かっこい〜」
「おまえが言うとムカつくな」
「なんでだ!?」
口喧嘩をはじめるけーすけと大雅に笑っていると、携帯のバイブ音が鳴って鞄を漁った。
手に取って確認すると、姉ちゃんからメッセージが届いている。
……珍しい。
『サナちゃん傷つけたら、夕食1週間、玉ねぎだらけのカレーにしてやるからね!』
……意味わかんない。
なんか、篠崎さんにも、似たようなこと言われたし……なんなの?
俺の嫌いなカレーと玉ねぎのスタンプまで、ピコピコと立て続けに送られてくる。
眉を寄せながら、ひとつ前に画面を戻して、文字を打つ。
これでよし、と先輩にメッセージを送信した。