いや、イルカで良いのか、とわたしは腕を組む。

「鯨とか鮫とかも格好良いと思います」
「容姿の問題なのか?」
「それに、絹笠さんなら種類が全然違ったって会いにきてくれる気がします」

現に、お金を返しに来てくれた。

絹笠さんはぽかんとこちらを見ている。

「羽巣さんのそういうところが好きなんだと思う」
「急に、どうしたんです」
「きちんと伝えていこうと思って」
「こんな所でしなくて良いです!」

あわあわとわたしが慌てるのがそんなに面白いのか、楽しそうに笑っていた。

「わ、わたしも絹笠さんの笑ってるところ良いと思いますよ!」
「そうか? ありがとう」