驚き、立ち止まる。

「来世はイルカが良いです!」
「……酔ってるのか?」

いやだって! とイルカを示した。

「あんなに泳いでるだけで皆に感動してもらえるなんて。わたしも歩いてるだけで賞賛してもらいたい」
「俺は何になれば良い」
「絹笠さんは何だって上手くやってけると思いますよ」

水槽に駆け寄る子どもたちの横を通り、イルカを目で追う。

思えばさっきから手を引いてばかりいる、と絹笠さんを見れば何やら難しい顔。

「すみません、何か見たいのありました?」
「いや……やっぱり俺もイルカにならないと話し合えないと思って……」