ハーブティーにそっと華恋は口をつける。上品な味の中に甘みが隠れている。零がはちみつを入れてくれたのだろう。
「……おいしいです」
華恋が微笑むと、零はホッとしたような表情で「よかった」と言う。華恋はまたハーブティーに口をつけ、リビングに沈黙が訪れたが、二人の中に気まずさなどはない。
ティーカップの中身が空になりかけた頃、華恋は再び口を開いた。
「格闘技、習われていたんですか?」
零は最初「ん?」と首を傾げていたが、華恋が男性を倒したことを言うと恥ずかしそうに目を逸らす。
「お義父さんから、何があっても華恋を守れる男でなければ結婚は認めないって言われてね。だから必死で空手と合気道を覚えたよ。まさか、役に立つ時が来るとは思わなかったけど……」
零は真っ赤に染まった顔を華恋の方へと向ける。そして、零の手が華恋の頬を優しく撫でた。
「守れてよかった……」
華恋は、また泣きそうになっていた。誤解されるようなことをしたのは自分だというのに、彼はこんなにも自分のことを想ってくれている。もう気持ちは止められそうにない。華恋は深呼吸をした後、ソファから立ち上がって零に頭を下げる。
「……おいしいです」
華恋が微笑むと、零はホッとしたような表情で「よかった」と言う。華恋はまたハーブティーに口をつけ、リビングに沈黙が訪れたが、二人の中に気まずさなどはない。
ティーカップの中身が空になりかけた頃、華恋は再び口を開いた。
「格闘技、習われていたんですか?」
零は最初「ん?」と首を傾げていたが、華恋が男性を倒したことを言うと恥ずかしそうに目を逸らす。
「お義父さんから、何があっても華恋を守れる男でなければ結婚は認めないって言われてね。だから必死で空手と合気道を覚えたよ。まさか、役に立つ時が来るとは思わなかったけど……」
零は真っ赤に染まった顔を華恋の方へと向ける。そして、零の手が華恋の頬を優しく撫でた。
「守れてよかった……」
華恋は、また泣きそうになっていた。誤解されるようなことをしたのは自分だというのに、彼はこんなにも自分のことを想ってくれている。もう気持ちは止められそうにない。華恋は深呼吸をした後、ソファから立ち上がって零に頭を下げる。

