溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

「真理!!!」



空気を弾くような,そんな声。

それは確かに私の名を呼んでいて。

振り返った私もまた,その人を瞳に映す。

もう私のなんなのかも分からないその人は,間違いなく特別で。



「なぎ…っ」



歪んだ私の顔に,真珠みたいに大きな水滴が1つ流れた。