溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

すべての作業は翌日2時間で終わった。

ちゃんと,ドラヌもんだ。

フェルトなどで教室が装飾されていることもあり,大きなドラヌもんはよく映えていた。

ちゃんと,出来てる。

じー,と見つめて,私は触れてみた。

かたい。

まだ乾いてないから,強くは触れられないけど。



「ちゃんと出来た」

「ね」

「わっ」



にゅっと,真香さんが横に並ぶ。



「おつかれ」



そんな風に声をかけられて,ふわんと肩が軽くなった。



「おつかれ様,です」   

「ね,真理って呼んでもいい? 私も真香でいいんだよ」

「うん。いいよ,真香…さん」

「また話しかけてもいい?」

「うん」

「良かった」