溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

目の前の明るい笑顔に,初めて話が通ったような気がした。

思わずほっと息を吐く。



「真理さんなんだか手慣れてるね。もしかしてやったことあるの? こうゆうの」

「えっ…ううん。色んなサイト調べて……」

「それ,1人でやってたんでしょ? うちら友達と話してたんだよ。せっかく真理さん頑張ってるのにって」



皆での作業が始まって,クラスメートが私に話しかけてくれた。

慣れないけど,こうやって話しかけてくれるのは嬉しい。



「でも…千夏に負けちゃった。突然早く終わらせようって,何かと思えば……もっと早く,手伝いに入ればよかった」

「そんな…違うの,違うんです。全然私が統率とれなくて,上手く伝えられないから皆もやる気出なくて,不安にさせちゃって……」