溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

ーパチッ

え……

起きてみて,まず始めに見えたのは,視界いっぱいの藍。

覚醒した頭が,一瞬で停止した。

そしてあぁ,と,昨日のことを思い出す。

目の前の藍は凪の着ている服の色。

やけに温かいのは,凪の体温にふれているから。

私の腰をぎゅっと抱き締めているのは,凪。

どれも初めてじゃないのに,私,なんか変。

ばく,ばく。ばくばくばく…

わっ,わっ

かぁぁぁぁっと染まっていく頬を抑えようとしても,凪のせいで腕が上がらない。



「ぁ…う…」



上手く言葉も出せない私は



「……真理?」



凪の寝ぼけた声がして

ードン!

……凪を自分のベッドから突き落とした。