溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

夜は2人でカップ麺を食べて,私が先にお風呂に入ることになった。

もちろん,お風呂の掃除くらいは私がやった。

シャワーの水が丁度よくなるまで片手に水をかけて,その間に私はシャンプーに目を止める。

使いなれた,花の匂いのするシャンプー。

それ以外はお母さんが持っていったのか,シャンプーはそれ1つ。

凪も,同じ匂いの使うのか。

私は何故かすごく恥ずかしい気持ちになって,まだ冷水のままのシャワーを頭からかぶった。

でも冷たすぎてすぐに他へ向ける。

そんな事をしながら,ようやく浸かった湯船。

あったかい…

ふぅ,と今日一番ゆっくり息を吐くと,じわじわと体が温まっていく。

そして,私はちゃぷっとお湯を少し掬った。