溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

「なぎ?」「……まり?」



ぱちんと凪の目が目の前で弾けて。

覚醒を目の前で見た私は,つい凪と声を合わせた。

考えていた一言目なんて全て忘れて,目の前の凪を見上げる。



「……っあぁ,入って」



思い出すように,凪は私を促した。

否定も肯定も出来ずに,私もついそれに従う。

実は,凪のお家に入るのは久しぶりだったりした。

いつも,凪の行動の方が早いから。

チラリと見た凪の足取りは,いつも通り何の問題もなく,しっかりしている。

寝起きのようで,出てきた時は眠そうに見えたけど……

それ以外特に不調は無いように見えた。



「……なぎ,熱,大丈夫なの?」



それも本人に聞いてみないと,私の主観でしかないから。



「うん。今起きてみたら,結構すっきり。でも喉が渇いてるから,ちょっと待っててくれる? 真理のも持ってくるね」