溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。





必要ないからと,切れては少しずつだけ受け取っていたお小遣い。

もっと貰っておけば良かったと,私は凪の家の前で思った。

辛うじて通学カバンに財布が見つかったものの,1000円も手持ちになくて。

ポカリ1本とプリン1つで精一杯だった。

眠っているなら,とインターフォンを押すのも躊躇う私。

今更だと,一旦水分を取って貰った方がいいと考えて,そっとボタンをしずめる。

すると,自分の行動よりずっと大きな音が壁の向こうで鳴った。

どきどきと凪を待つ。

全部置いて,図々しく心配するのが先?

取り敢えず謝るのが先?

凪を優先するなら,きっと1つ目。

でも,凪の感情を優先すると,もしかしたら2つ目かもしれないとも思った。

人として正しいのは,凪に1番誠実で優しいのは,どっちなんだろう。

そもそも,私と凪の関係って,今はどんなものなんだろう。

考えている間にも人の気配が生まれて,近づいて,今扉が開く。