溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

繋いだ糸を裁ち切ったかのように,離れた私達の手。

凪によって意図的にそうされた私の片手は,行き場を無くしてふらふらとする。

凪の目に見える行動は,私にとても効果的で。

もう泣く資格も無いんだと,頭よりも先に瞳に理解させていた。



「真理,ついたよ……真理? ……じゃあね」



落ち着いた凪の声が離れていく。

『凪……っ』

私の喉は,はくはくと音を立てるだけで。

1音も,放ってはくれなかった。

分かることは1つだけ。

ー私はきっと,何かをまちがえた。