溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。


ねぇ凪,私のこと,ほんとはどう思ってる?

ただ,いつか心が決まったら聞いてみようと思っていただけだった。

それが,形を変えておかしな質問を投げ掛けている。

それが理由だと分かっていた。

なのに,なのに



「私のこと,好きでもなんでもない人が……どうして私の婚約者をやってるの……?」


1度開いた口は,自動で閉じたりしてくれない。



「あの人の言う通り,おかしいよ……! 私,そんな風に凪にされる理由なんて,1つもないのに……!!!」



最後の一言を口にして初めて凪の顔を見た。

全て聞き終えた凪の目から,はっきりと温度が失くなる瞬間を,私は目撃した。



「……真理は,僕から離れたい?」



離れたい……?

私が? どうして?

私は,私がずっと願ってるのは……



「婚約を,解消したい」



凪と普通の幼馴染みになって,それで



「……そっか」



頭の回らない私の前で,凪は綺麗に笑った。