溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

ぽつりと悲しげに落とされた言葉に,私は本をぎゅっと抱き締める。



「真理?」



私は教室から駆け出して。



「真理?! 何して……危ない!」



階段を出来るだけ高い高さから飛び降りると,彼女達を追いかけた。

一番下まで降りて,姿を探すと。

まだ中庭の自販機近くを歩いている。



「意味分かんないよね」

「うん…」

「私らの約束は破るくせに,先約があるとか」

「あの!」



堪らず声をかけると,とてつもない目力であゆなさんにガンを飛ばされた。



「真香さんはそんな……」

「わかっっってるよ!」



なんの意味もなく,まなかさんを筆頭に,また走り去ってしまう。



「ちょっと真理,足大丈夫? どんな高さから……」



肩で息をしていると,真香さんが私に追い付いて。

去っていく3人を見つけた。



「ん,あー」