でも。
私は。
どうしても。
おんなじがほしい。
叶わなくても。
近づけなくても。
「おんなじ」を手に入れるまでは。
きっと。
ずっと満足なんてできない。
西原くんは私の頬に指先をチョンと寄せて、涙を拭いてくれた。
それから、
「ぎゅっとしてもいい?」
と、囁いた。
「え……?」
その瞬間。
自分の体が、ふわっと包まれた。
西原くんの腕の中に。
「西原くん?」
「お願い、もう少しこのままでいて」
「……」
他の通行人からの視線を感じる。
ものすごく恥ずかしい。
だけど。
心臓は嬉しそうにドキドキと叫んでいる。
「好きだよ、田畑さん」
頭の上から、西原くんは言った。
「オレも好きだから」
西原くんの腕の力が、ほんの少し強まる。
「はじめてふたりで掃除した日から、田畑さんのこと好きだった」
「……!!」



