イジワルな君の一途で不器用な恋心


助けを求める声が左隣から聞こえ、手を止める。


勉強会が始まって2時間。これにて5回目。


わかるよ。高校初めてのテストだから不安なの。
それに中学と違って留年があるから赤点は避けたいよね。

だけど、24分に1回は少々多くないですか?


顔の向きはそのまま、目をチラッと動かす。


単細胞生物か……。

まぁ、普通に考えたら、一般部員よりも副部長のほうが知識豊富なイメージだもんね。

でも、こう見えて生物は得意だから、1回は頼ってほしいなぁ……なんて。



「あの、琳子先輩、ちょっといいですか?」

「ん? どうしたの?」



待ってましたー! と心の中で叫び、柔和な笑顔を浮かべて顔を上げる。



「先輩は、これ、何に見えます?」

「うーん……ゾウリムシ?」

「だよな。俺もそう思ったけど、前の問題の答えもゾウリムシなんだよ」

「あ、本当だ。じゃあ別の生き物かな? 連続で同じ答えはなさそうだし」

「なんですかね……」



解像度が落ちた粗い写真に頭を捻る私達。

数分考えても思いつかず、一時勉強を中断して、スマホと図鑑で似た写真がないかを探した。