イジワルな君の一途で不器用な恋心


衝撃的な出会いにより、新たな習慣が生まれた先月。

毎日くだらない話をしては笑い合って、日に日に緊張が解けていく姿を秘かに嬉しく感じていた。


しかし……。



「そういえばさ、古松さんの好きなタイプ聞いてなかったよね。どんな人が好みなの?」

「ええーっ、恥ずかしい。一途で甘々な人が好きです!」

「甘々? 顔が可愛らしい感じ的な?」

「それもありますけど、どちらかというと中身ですね。私のことをとろんとろんに甘やかしてくれる人が希望です!」

「なるほど。溺愛願望があるんだね」

「はい! もちろん私もたっぷり愛しますよ!」



右側から聞こえてくる仲睦まじい声が、鼓膜を通して心臓を揺さぶる。


初めは、五月病の症状の一種かな? と深刻に考えないようにしていた。

のだけど……日が経つにつれて頻度が高くなり、治まるどころか悪化。

特にここ最近は毎日胸騒ぎが続いている。



「琳子先輩、今週の土曜日って空いてます?」



今朝と同じ横断歩道の前で、ミワワちゃんに尋ねられた。