イジワルな君の一途で不器用な恋心


「……よくわかったな」



一ノ瀬 零士。俺と同じく警察官の父親を持つ幼なじみ。


お互い転勤族なので同じ学校に通ったことは1度もないのだが、父親同士が小中時代の同級生なのもあり、ちょくちょく交流していた。

そのため、友人の中では1番付き合いが長い。



「どう見ても、俺より当てはまってるだろ」

「確かに、黒髪でガタイもいいし、剣道もやってるしな」



特徴を聞いていたら、昔の苦い思い出がよみがえってきた。


琳子やジョーにも時々聞かれる、零士をライバル視する理由。

犬派と猫派で対立しているから、運転技術が優れているから、というのもあるのだが、1番は運動センス。


実は、空手を習う前、俺も剣道を習っていて、一時期同じ道場に通っていた。

ただ、零士のほうが筋があったみたいで。何度も対戦したのだけど、1回も勝てず……。


この連敗がきっかけで負けず嫌いな性格になり、事あるごとに張り合うようになった。



「……まさか、ツヨシのモデル?」