イジワルな君の一途で不器用な恋心


起き上がり、琳子と出会った日を思い出す。


今から11年前。

当時引っ越してきたばかりで、その町について何も知らなかった俺は、毎週両親と一緒に探検がてらドライブに行っていた。


その影響からか、学校でも校内を探検するようになって、1人で校舎裏を歩いていたら……。



『好きな男の子がいたんだけど、彼女ができちゃって……』

『私のほうがずっと前から好きだったのに……っ』



背は学年1低かったが、正義感だけは強い性格。

放っておけず、持ってたハンカチを渡して、昼休みが終わるまで慰めてあげた。


たかが子供の頃の話だろう。


そう軽く捉えがちだけど、今も鮮明に思い出せるくらい酷く悲しんでたんだ。恋愛に対して苦手意識を持っても不思議じゃない。

克服してるなら、好きな人ができてたかもだけど、付き合いたいとまでは考えるか……?



「へぇ、校舎裏で」

「うん。つっても、最初はあっちが一方的に押しかけてきてたんだけどな」