イジワルな君の一途で不器用な恋心


取り返そうと手を伸ば……したが、まじまじと見ていたので引っ込めた。

あれれ? 返事のわりには興味津々?



「かっこいいよね〜。それ、全国のゴリラの他にも世界中のゴリラも載ってるのよ」

「へー、タクマも?」

「うん。この時まだ小さかったからお母さんと一緒に写ってる。ちょっと貸して」



彼の手から写真集を取ってページを戻した。



「あったあった。この子がタクマくん」

「わー、ちっちゃ。ってか隣のページすげーな。ドラミングだっけ?」

「そうそう。よく見ると、これ、グーじゃなくてパーで叩いてるの」

「本当だ。どんな音すんの? やっぱ大きい?」

「そうね。相手に自分の存在を知らせるために叩くって言われてるから」

「へー、自己主張強いなー」



これは、現実なのか……?

犬とバイクの世界しか知らないあの雷夜が、ゴリラについて質問している……!



「気性荒そうなイメージが強いけど、実際は繊細なのよね」