イジワルな君の一途で不器用な恋心


ごめんね、うちのバカ雷夜が何度も何度も。失礼だよね。怖かったよね。もう大丈夫だよ。


ドン引きする彼をよそに推しの頭を撫でる。



「……あのさ、ずっと気になってたんだけど、琳子はゴリラのどこが好きなの?」

「え? どこって、全部だけど」

「顔も体型も、性格も生き様? も?」

「うん。強いて言うなら、背中ね。あの広い背中に抱きついたらどんな感じかなぁってのはよく想像するかな」



クリアファイルを手に取って妄想を繰り広げる。


特に成熟した証のシルバーバックが最高なのよね。

タクマくんはまだ若いから黒いけど、いずれ父親のように貫禄のある漢になったりして。



「あぁでも、たくましい腕も捨てがたい! そっと優しく抱きしめられたら……なんて。今の季節は少し暑そうだけど」

「……ふーん」



反応うすっ。もうちょっと興味持てよ、自分から聞いたくせに。


クリアファイルを戻して横を見ると、雷夜が写真集を見ていた。


ああああまた勝手に触ってぇぇ。レディの部屋を荒らすなぁぁ。