イジワルな君の一途で不器用な恋心


反射的に立ち上がり、デリカシー皆無の来訪者に詰め寄る。



「まだいたの? さっき玄関で見送ったよね?」

「忘れ物思い出して。戻ってきた」

「忘れ物? 何」

「漫画。春休みに貸してただろ? 1ヶ月以上経ったから回収しに来ましたー」



頭をフル回転させて記憶を遡る。


修了式終わった後、そのまま雷夜んちに行って借りたんだっけ。

オープンキャンパスと学校説明会で忙しくて、読むのに時間かかったけど、多分全巻読み終わってたはず。


机の下のキャスター付きの引き出しを開ける。


えーと、確か本類はこの段にまとめてた気が……。



「おーい、まだー?」



あれれ……? おかしいな、なんでないんだ?

1段目は書類専用で、2段目は文房具のストックと細々した物専用だから、入れるとしたら3段目しかないのに……。


立ち上がって机の上を漁ると、端に置いていたパンフレットの山に肘が当たった。



「……お前、まさか失くしたとは言わねーだろうな?」