イジワルな君の一途で不器用な恋心






昼休みを挟み、見学の時間が始まった。

この時間は新入生を含めた帰宅部の生徒限定で、複数の部活を体験することができる。



「おっ、琳子」



動物部の部室である生物室に入ると、机を拭いている最中の雷夜に遭遇した。



「早いね。チャイム鳴ったばかりなのに。昼休みもここにいたの?」

「おぅ。副部長だからな。それ……タクミ?」

「タクマね。ゴリラ好きな子が来た時にわかりやすいかなと思って」



首にかけた看板を見せた。

動物園の帰り道に、近所のコンビニで写真を印刷して作ったのだ。

ちなみに裏は、犬好きの人用にハナの写真を貼っている。



「これでゴリラオタクを引き寄せるわよ!」

「ふーん。結構しっかり作ったんだな。頑張れよ。片面しか出番なさそうだけど」



フッと鼻で笑われた。


こいつ、毎年毎年バカにして……!

世界中のゴリラとファンに謝りなさいよ! あといい加減名前覚えろ!