イジワルな君の一途で不器用な恋心



1時間後、全ての料理を平らげた。

空になった食器をシンクに運び、雷夜と2人で洗っていく。



「あ、そうそう。昨日新菜から連絡が来てさ、一ノ瀬くんと近所のスーパーでバッタリ会ったんだって」

「零士と? ジョーじゃなくて?」

「うん。三原くんとも会ったとは聞いたけど、コンビニって言ってたから」

「マジか。学校違うのにすげーな」



大皿をスポンジで洗いながら「もうみんなご近所さんじゃん」と笑う雷夜。


今月の3日、私達3年生は無事に卒業式を迎え、今は新生活に向けて準備を進めている。


一ノ瀬くんは獣医を目指すために6年制の大学へ。

新菜と三原くんは草花の勉強を深めたいとのことで4年制の大学へ。


そして私と雷夜は──。



「琳子は入学式のスーツ買った?」

「買ったよ。雷夜は?」

「俺も買った。オーダーメイドで」

「ええっ! サイズなかったの?」

「いや、上はあったんだけど、下がなくてさ。ウエストがブカブカだったり、丈が短かったりで合わなくて。お前は大丈夫だったの?」

「うん。サイズピッタリのやつが一着だけあって。着心地もデザインも良かったからすぐ決まったよ」