イジワルな君の一途で不器用な恋心


対面式に参加できなかったのは残念ではある。けど、特別に遅刻は免除してもらえたから良しとする。


ただ、被害者の女の子が間に合ったかどうかがなぁ。


というのも──彼女が着ていたのは、黒のブレザーとスカート、赤いネクタイ。私達が通う黒金(くろがね)高校の制服だったから。


別室に移動する時に尋ねたら、一昨日入学したばかりの1年生だって。

事情ありとはいえど、この段階での遅刻はネガティブな印象を与えかねない。

みんなと一緒に入場できたことを願う。


前方にいる新入生達を眺めていると、4時間目開始のチャイムが鳴った。

部活紹介が再開し、吹奏楽部の生徒達がステージに登壇していく。


2、3年生しかいないのに余裕で1クラス分いる。さすが地元屈指のマンモス校。

部活の数も多いから、毎年2時間はかかってたっけ。今年は何番目に出てくるかな。



「皆様お待たせしました。次が最後です」



待つこと数十分。進行役の先生の声が場内に響いた。

ステージに登壇する男子2人組を見守る。



「皆様はじめまして。動物部部長の一ノ瀬 零士です」

「副部長の目黒 雷夜です」