イジワルな君の一途で不器用な恋心


弱々しい声で述べると、気まずそうに顔を横に向けた。


おかしいな。どうして顔が、耳が、真っ赤に見えるんだ?

っていうかこいつ、こんな嫉妬深かったっけ?

デレデレした顔は見たことあるのに……なんで、私までドキドキしてるんだろう。



「……なんか、ごめん」

「別に。謝んなくていいよ」

「さっきのは、本音?」

「当たり前だろ。言っとくけど、綺麗だって言ったのも本当だからな」

「ええっ⁉」



途端にカーッと顔に熱が集中する。

機械的な口調だったから、てっきりお世辞かと……。



「思ってたんなら、素直に言ってくれても良かったのに」

「できるわけねーだろ。あんな大勢いるとこで。零士じゃあるまいし」



うぐぐ、確かに。

少女漫画のラブシーンを受け付けない雷夜が、そう簡単に人前でキザなセリフ吐かないよね。


苦笑いを浮かべていたら、肩に合った手が腰に下りてきた。



「な、何?」

「勇気出して言ってくれたお礼、してやるよって」



は? 一体何するつもり?


そう聞き返したかったのに。

優しく唇を塞がれてしまい、一言も発せなかった。



「好きだよ琳子。出会った頃からずっと好きだった」




一途で真っ直ぐな告白に、トクンと胸が高鳴った。


校舎裏でも、階段でも、渡り廊下でもないけど。

夕方じゃなくて夜で、なんなら、告白とキスの順番逆だけど。



「私も、雷夜が好きだよ」



目を見て伝えると、ゆるゆるだった顔がさらに緩んだ。



「さ、補導されないうちに帰るぞ」

「うんっ」



──やっと、両想いになれたんだ。

幸せを噛みしめつつバイクに跨がり、恋人となった彼の背中に抱きついて帰路に就いたのだった。