イジワルな君の一途で不器用な恋心


なんと雷夜が着ていたタキシードはボルドー色。
トーンは違うものの、赤系だったのだ。



「楽しみだったのはわかるけど、マネすんなよ」

「してないわよ! ミワワちゃんに勧められて着ただけ!」

「それを言うなら俺だって古松さんに……」



ハッと気づいてお互いに目を丸くする。


も、もしかしてミワワちゃんが……⁉


呆然と立ち尽くしていたら、突然場内がざわつき始めた。

一体何事だろうと、前方に集まっていく生徒達の後を追ってみる。



「お姫様、僕と踊っていただけませんか?」



人々の隙間から見えた光景に口をあんぐり開けた。

王子様風の衣装を着た一ノ瀬くんが、市瀬ちゃんの前でひざまずき、手を差し伸べている。


おおお……新菜の妄想が、一言一句余す所なく再現されている……!


やばい、これ、撮ってもいいかな? うん、撮ったほうがいいよね! ごめんね2人とも! 新菜に見せたらすぐ消すから!